髪の健康を守る鍵:「等電点」と「疎水性」について

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髪の健康を守る鍵:「等電点」と「疎水性」について

髪の毛のダメージと疎水性の関係
髪の健康を維持するために、重要なポイントの一つは髪の「疎水性」を保つことです。健康な髪の毛は疎水性(=水を弾く性質)を持ち、これにより水分の調節機能を発揮します。一方で、ダメージを受けた髪は親水性(=水を吸いやすい状態)または発水性(=水を全く吸わない状態)となり、トリートメントやカラーが効きにくくなります。


等電点と髪の状態の関係

等電点とは?
髪の等電点とは、pH4.5~5.5の範囲で、髪が最も安定した状態を指します。この範囲では髪のプラスとマイナスの電気がバランスを保ち、引き締まった状態(疎水性)を維持します。しかし、髪がアルカリ性や酸性に偏ると、電気のバランスが崩れて膨らみやすくなり、水を吸収しやすい親水性状態に変化します。


アルカリ性・酸性に偏った髪の影響

髪がアルカリ性に偏ると、マイナスの電気が増え、髪が膨らみやすくなります。一方、酸性に偏るとプラスの電気が増え、同様に髪が膨らみます。この状態では髪が吸水性を持つため、ダメージが進行しやすくなります。

等電点に戻す重要性
パーマやカラー後、髪を等電点(pH4.5~5.5)に戻すことで、疎水性を取り戻し、トリートメントやカラーの効果が長持ちします。特にカラー後にアルカリが残った状態では、トリートメントの油成分がカラー剤を落としてしまう可能性があります。そのため、カラーやパーマ後には「酸リンス」を使用し、髪のpHを酸性に整えることが重要です。


トリートメントと等電点

疎水性の髪は油成分を保持しやすいため、トリートメントが効果を発揮しやすくなります。しかし、アルカリ性に傾いた髪ではトリートメントが効きにくくなり、効果がすぐに失われてしまいます。そのため、施術後には髪を等電点に戻すプロセスを取り入れることが大切です。


施術プロセスを見直そう

髪の健康を維持し、トリートメントやカラーの効果を最大限に引き出すためには、以下のポイントを押さえましょう:

  1. 等電点を意識する
    パーマやカラー後には、必ず髪を酸性に戻し、疎水性を保つ。
  2. 酸リンスの使用
    アルカリ性に傾いた髪を速やかに等電点に戻すことで、カラーの色持ちやトリートメント効果を向上。
  3. 施術後のケアを徹底する
    トリートメントやカラーがしっかり髪に残るよう、施術後のケアプロセスを確認する。

髪を疎水性に保つことは、見た目の美しさだけでなく、ダメージを防ぐための重要なプロセスです。施術のたびに髪の健康状態を意識し、適切なケアを心がけましょう!

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