経験と完璧主義 ー レオナルド・ダ・ヴィンチの教え①


経験と完璧主義 ー レオナルド・ダ・ヴィンチの教え①

投稿日: | カテゴリー: 哲学

経験は嘘をつかない

ある人は私のことを、文字を知らない人間だと断定する。文字によって、十分な表現ができないと非難する。なんと的外れな批判だろう。彼らは私の仕事が、言葉によってではなく、経験から引き出されていることを知らないのだ。
経験こそ、私の尊敬する教師であり、これからも遠慮なく、経験から学ぶつもりである。私は学者ではない。経験の弟子、レオナルド・ダ・ヴィンチである。

レオナルドは、経験こそが真実を導く鍵であると考えていました。正式なアカデミック教育を受けられなかった彼は、日常の観察や実験を通じて知識を獲得していました。「経験は決して嘘をつかない。ただし、それを解釈する人間の判断が誤ることはある」と彼は述べています。

意見を聞く大切さ

人間の判断力とは、実に頼りないものである。敵を裁くときに立派に機能しても、味方となると、途端に無力になる。だからもし、あなたが自分の作品について正確な評価を知りたければ、友人だけではなく、ライバルの意見にも耳を傾けることだ。

レオナルドは、自分の考えだけに固執せず、周囲の意見を積極的に取り入れることの重要性を説いていました。批判的な意見にも耳を傾けることで、より客観的な判断が可能になると考えていたのです。

完璧主義と未完の作品

妥協せず、納得がいくまで追求すれば、あなたは富よりも遥かに偉大なものを世に残すことになるだろう。

レオナルドは、多くの未完の作品を残したことで知られています。その理由の一つとして、彼の完璧主義が挙げられます。例えば『アンギアーリの戦い』の制作を途中で断念したのも、彼が理想とする遠近感を実現できなかったからでした。また、『モナ・リザ』も彼にとっては未完成であり、晩年まで修正を続けていました。

真実を追求する姿勢

レオナルドは嘘やごまかしを嫌い、真実を追求し続けました。彼はある寓話の中で、嘘に惑わされず真実を求める重要性を説いています。

自由に空を飛ぶことだけでは満足できず、見栄を張ったガは、キャンドルの明るく楽しげな炎に引き寄せられた。しかし、その決断はすぐに苦痛の源となった。炎の中でガの薄い羽が焼き尽くされ、地面に落ちてしまったのだ。

この寓話は、表面的な輝きに惑わされることの危険性を示唆しています。レオナルドは、見かけだけの成功や虚飾に囚われず、本質的な価値を見極めるべきだと考えていました。

まとめ

レオナルド・ダ・ヴィンチの教えから学べることは、経験を大切にすること、他者の意見を受け入れること、そして完璧を追求しながらも真実に向き合う姿勢を持つことです。
彼の人生は、学び続けることの大切さを私たちに教えてくれます。

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