髪の化学変化についての備忘録:ランチオニン結合とアルカリの影響

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髪の化学変化についての備忘録:ランチオニン結合とアルカリの影響

近年、美容業界では「ランチオニン結合」という言葉を耳にする機会が増えています。特に、「ランチオニン結合は強く髪を結びつけてしまうことで取れないクセがついてしまう」や「汗の影響でさらに髪に変化が生じる」といった見解が注目されています。ただ、私自身が学んだ内容を整理すると、少し異なる観点もあると感じています。

そこで今回は、私自身の備忘録として、一つの見解としての「ランチオニン結合」についてお話しします。

ランチオニン結合とは?

髪の内部には「SS結合」と呼ばれる結合があります。このSS結合は髪の形状や強度を保つために欠かせないものです。しかし、熱やアルカリの影響を受けると壊れてしまい、別の結合、すなわち「ランチオニン結合」が形成されます。

ランチオニン結合が形成されると、髪が還元剤では元に戻らなくなります。その結果、髪にパーマがかかりにくくなったり、再施術が困難になるという問題が生じます。これが、クセが固定されてしまうという見解の背景とも言えるでしょう。

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アルカリと熱の影響

例えば、ストレートパーマの施術では、180度の高温でアイロンをかけることが一般的です。この際、髪にアルカリが残ったままだと、SS結合が壊れ、ランチオニン結合が発生するリスクが高まります。

特に、pHが9.5〜10という高アルカリの状態で高温の熱を加えると、髪内部で不可逆的なダメージが発生します。その結果、クセが固定されてしまい、髪に柔軟性がなくなるといった影響が出てきます。

最近のストレートパーマ剤の特徴と課題

近年のストレートパーマ剤にはアミン系の薬剤が多く使用されています。これらは従来のアンモニア系と比べて臭いが少なく扱いやすい反面、髪に残留しやすいという特徴があります。また、シリコンが配合されている製品も多く見られます。

シリコンは髪表面に膜を作り、艶を与える一方で、髪内部のアルカリを外に出しにくくするという課題があります。これが結果的に、髪内部のアルカリ残留を引き起こし、ランチオニン結合が発生する要因となり得ます。

アルカリ残留を見分ける方法と対処法

アルカリ残留を確認するためには、施術後に髪が熱を持つかどうかを観察する方法があります。例えば、加酸化水素(二剤)を使用した際に髪が発熱する場合、それは髪内部にアルカリが残っている可能性を示唆します。

これを防ぐためには、中間洗いを徹底し、髪のアルカリを可能な限り除去することが重要です。また、シャンプーを使用した「バブリング」や弱酸性のリンスで髪のpHを整えるといった対策も効果的です。

備忘録として

この記事は、私自身が学んだ知識を整理し、自分なりに解釈した内容を記した備忘録です。美容業界では「ランチオニン結合」に関するさまざまな意見があり、これが絶対的な正解というわけではありません。ただ、一つの見解として捉えていただければ幸いです。

お客様に最適な施術を提供するためには、こうした知識を深めることが重要だと感じています。もし、同じテーマで意見や経験を共有できる方がいれば、ぜひコメントをいただけると嬉しいです。一緒に学び、成長していきましょう!

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