パーマの「中間水洗」の重要性:髪を守る施術の基本
中間水洗とは?その目的と役割
中間水洗の主な目的は、髪に残ったアルカリと還元剤を取り除くことです。一部では「アルカリを除くだけで十分」と考えられがちですが、還元剤も除去しないと髪に重大な影響を与える可能性があります。
- アルカリの除去
アルカリは髪を膨潤させる働きがありますが、施術後に残ると髪のダメージを引き起こします。中間水洗はこれを取り除くために行われます。 - 還元剤の除去
還元剤が髪に残ったまま2剤(酸化剤)を使用すると、髪内部で混合ジスルフィドが作られます。これは、髪の本来のSS結合ではなく、髪の強度を弱める原因となります。
中間水洗を省略した場合の影響
中間水洗を行わずに2剤を使用すると、以下のような問題が発生します:
- 混合ジスルフィドの生成
還元剤のSと髪内部のSが結合し、本来不要な混合ジスルフィドが作られます。これにより髪の強度が低下し、もろくなります。 - ウェーブのかかりが悪くなる
中間水洗を行わない場合、パーマのかかり方が不完全になり、仕上がりが不安定になります。 - 髪の劣化を引き起こす
髪内部に余分な化学物質が残ることで、切れ毛や枝毛の原因となります。
中間水洗の正しい方法とポイント
中間水洗を成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です:
- 流す時間
ロッド1本あたり5〜10秒を目安に、表面と裏面を丁寧に洗い流します。 - 水温
ぬるめの温度(約35〜40℃)で洗い流すことで、髪への負担を軽減します。熱すぎる温度は避けましょう。 - 徹底的な洗浄
特に最近のアミン系アルカリ剤は水で落ちにくいため、しっかりと洗い流すことが重要です。
中間水洗と酸バッファーの違い
中間水洗を省略して酸バッファーで髪を中和する方法もありますが、これでは還元剤を除去することができません。そのため、混合ジスルフィドの生成を防ぐ効果は得られず、髪の強度を守るには不十分です。
中間水洗の効果を示す実験結果
以下の実験では、中間水洗を行った髪と行わなかった髪のパーマのかかり具合を比較しました:

Screenshot
- 中間水洗を行わない場合
パーマのウェーブが弱く、仕上がりが不完全になる。 - 中間水洗を行った場合
パーマのウェーブがしっかりと定着し、仕上がりが美しくなる。
この結果からも、中間水洗がいかに髪の仕上がりや健康に影響を与えるかがわかります。
まとめ:中間水洗の重要性を理解して髪を守る
中間水洗は、髪の健康を守るために欠かせない施術工程です。アルカリだけでなく還元剤を取り除くことで、髪の強度を保ち、美しい仕上がりを実現します。
お客様の髪を守るために、中間水洗を正しく行い、科学的な根拠に基づいた施術を心がけましょう。この知識を活かして、より良いサービスを提供してみてください。
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