二剤の発熱と髪への影響:システイン酸を防ぐために

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二剤の発熱と髪への影響:システイン酸を防ぐために

パーマやストレート施術で使用される「二剤」は、髪のSS結合を再結合させる重要な役割を持っています。しかし、条件によっては発熱を引き起こし、髪にダメージを与える原因となることがあります。今回は、その仕組みと髪を守るためのポイントについて解説します。

なぜ二剤で発熱するのか?

二剤には、SS結合を再結合させるために活性酸素が発生する成分が含まれています。しかし、髪内部に残留アルカリや還元剤が多く存在すると、以下のような現象が起こります:

  • 活性酸素の異常発生
    残留アルカリが多いと、活性酸素が急激に発生し、分解熱(発熱)が生じます。
  • SS結合の破壊
    発生した活性酸素が髪のSS結合を壊し、システイン酸という新しい物質を生成します。

システイン酸が髪に与える影響

システイン酸は、髪の健康を損なう大きな要因となります。その特徴と影響を以下にまとめました:

  • SS結合が戻らない
    システイン酸が生成されると、元のSS結合が再形成できなくなり、髪の強度が低下します。
  • 強いマイナス電荷
    システイン酸は強いマイナス電荷を持つため、髪内部でマイナス同士が反発し合い、髪が広がりやすくなります。
  • 髪の膨潤とダメージ
    髪が膨潤しやすくなり、外部からのダメージを受けやすい状態になります。これにより、切れ毛や枝毛のリスクが高まります。

システイン酸を防ぐための施術ポイント

システイン酸の生成を防ぎ、髪を守るためには、以下の施術ポイントを押さえることが重要です:

  1. 残留アルカリを徹底除去
    二剤を使用する前に、髪のアルカリを中和し、可能な限り除去します。酸バッファーや中間水洗を活用しましょう。
  2. 施術時間を管理
    パーマやストレートの放置時間を適切に設定し、還元剤が過剰に残らないように注意します。
  3. 髪の状態を確認
    施術前に髪の状態をしっかりと見極め、髪に負担をかけすぎないよう調整します。

まとめ:髪を守るために発熱をコントロールする

二剤の発熱は、施術の重要なプロセスですが、条件を誤ると髪に大きなダメージを与える原因となります。残留アルカリや還元剤をしっかりと除去し、システイン酸の生成を防ぐことで、髪の健康を保ちながら施術を行うことが可能です。

髪を守るための知識を深め、より良い施術を提供していきましょう。お客様に満足いただける仕上がりのために、科学的なアプローチを活用してみてください。

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